世界美術史辞典

中国の戦国・秦漢時代は、中国の歴史において重要な時期であり、紀元前475年から紀元後220年まで続いた時代です。この時期は、多くの戦争や政治的な変動があり、中国の統一や帝国の形成が進行しました。
戦国時代は、紀元前475年から紀元前221年まで続いた時代であり、戦国時代には中国の中央部を支配していた周王朝の王権が衰退し、諸侯（しょこう）が互いに領土を争い、戦乱が絶え間なく続きました。この時期には、有力な諸侯国である秦、魏、趙、楚、韓、燕、齊などが台頭し、互いに戦闘を繰り広げました。
戦国時代の終わりに、秦が中国を統一し、秦王朝が成立しました。秦は強力な中央集権的な体制を築き、兵制や行政制度の改革を進めました。また、秦の始皇帝は万里の長城の建設や兵馬俑の創造などの大規模なプロジェクトを行い、中国の統一を図りました。
秦王朝は紀元前221年から紀元前207年まで続き、その後は短命に終わりました。その後、漢王朝が紀元前202年に成立し、秦の崩壊後の混乱期を経て中国の統一を再建しました。
漢王朝は、西漢（前漢）と東漢（後漢）の二つの時期に分けられます。西漢時代は紀元前202年から紀元8年まで続き、東漢時代は紀元25年から220年まで続きました。漢王朝は中央集権的な政治体制を確立し、官僚制度や儒教を重視しました。また、西域への交易や文化の交流も盛んに行われました。
漢王朝の統治下では、農業の発展や土地改革、道路や灌漑システムの整備など、経済的な発展が進みました。また、文化や学術の発展も著しく、儒教が国家の公式思想となり、歴史書の編纂や文学、思想、科学技術の進歩がありました。
しかし、後期の東漢時代には政治的な腐敗や内乱が起こり、220年に漢王朝は滅亡し、中国は三国時代へと移行しました。
戦国・秦漢時代は、中国史上最も重要な時期の一つであり、中国の統一や帝国の形成、文化や思想の発展、技術や経済の進歩など、様々な側面で大きな影響を与えました。また、後の中国の歴史においても、戦国・秦漢時代の出来事や制度が基盤となり、多くの伝統が受け継がれていきました。