世界美術史辞典

東洋美術史は、東アジア（主に中国、日本、朝鮮）や南アジア（主にインド、ヒマラヤ地域）などの東洋地域における美術の歴史を研究する学問です。東洋美術は、古代から現代までの数千年にわたる様々な文化や宗教、芸術様式を含んでいます。
東洋美術史の範囲は非常に広く、以下にいくつかの主要な要素を紹介します。
中国美術史: 中国は古代から独自の美術伝統を築いてきました。青銅器や陶磁器、絹画、水墨画、書法、仏教美術など、多岐にわたる美術様式が存在します。中国美術は、宮廷芸術、仏教寺院の美術、民衆の生活芸術など、さまざまな側面を持っています。
日本美術史: 日本の美術は、中国や朝鮮からの影響を受けながらも独自の発展を遂げてきました。仏教美術、茶の湯の美術、浮世絵、日本庭園など、多様なジャンルがあります。また、日本の美術は季節感や自然への共感、禅の哲学などの要素が強く反映されています。
朝鮮美術史: 朝鮮の美術は、中国との密接な関係を持ちながらも独自の特徴を持っています。仏教美術、陶磁器、書画、宮廷美術などがその代表的なジャンルです。朝鮮美術は、優れた技術と繊細な表現で知られています。
南アジアの美術史: インドやヒマラヤ地域などの南アジアでは、ヒンドゥー教、仏教、イスラム教などの宗教的な要素が美術に大きな影響を与えてきました。寺院建築、仏教彫刻、壁画、タペストリー、ミニアチュール画などが南アジアの美術の特徴です。
東洋美術史は、これらの文化や宗教の発展と関連しながら、美術作品や芸術様式の変遷を研究します。これらの美術は、芸術表現としての美しさだけでなく、社会的な意味や思想的な背景を持っており、その研究は東洋文化や歴史の理解に貢献しています。